総領事挨拶

令和4年11月10日

 この度、在ストラスブール日本国総領事として着任した内田です。

 ストラスブールは、私にとって、約30年前に語学研修のため一年間滞在した懐かしい街です。こうしてストラスブールに戻り、勤務できることを心より嬉しく思っています。ストラスブールの街中を歩くと、大聖堂を始めとする当時と変わらぬ街の風景は、当時の自分を思い出させてくれました。同時に、街中を縦横無尽に走るトラムや新たな装いのストラスブール駅など時の流れと新しいストラスブールを感じることができました。

 当館の管轄地域は、アルザス、ロレーヌ、フランシュ=コンテそしてシャンパーニュ=アルデンヌのオート・マルヌ県となります。30年前にも、ナンシー、コルマール、ブザンソンなどこの地域の多くの土地を訪問し、その豊かな風物に魅了されました。また、この地域には、約1,200人の邦人の方々が在留されており、日系企業も約50社が活動されています。これから各地を訪問し、その魅力を再発見し、日本との関係強化のために尽力していきたいと思います。

 そのためには何よりも、邦人の方々が安心して安全にこの地域で暮らし、活動し、旅行できることが大切です。総領事として、邦人保護や領事サービスの向上にしっかりと取り組んで参ります。日系企業の活動についてもしっかりとサポートして参ります。

 また、この地域と日本の交流は、学術、文化、ビジネス、スポーツ、観光など様々な分野で根付いています。こうした交流は、コロナ禍で一時的なダメージを受けましたが、当館30周年記念として2022年7月に開催されたJapon (f)estival は、多くの方々の協力を得て盛大に実施され、その復活、さらには将来に向けた更なる発展の可能性を示すものだったと思います。コロナ禍に関連した規制がほぼなくなった今、皆様と一緒になって、この地域と日本との間の交流を盛り上げていきたいと思います。

 国際社会に目を転じると、人権、民主主義そして法の支配は、我々の日々の生活を守っていく上でますます重要な意味を持っていると感じています。欧州とインド太平洋で起こっていることは、決して相互に他人事ではなく、欧州とインド太平洋が共有する価値観を軸に相互に関心と協力を深めていく必要があります。そのためにも、総領事として、2021年にオブザーバー加盟25周年を迎えた欧州評議会、更にはEU議会など当地に所在する欧州関連諸機関と日本との関係を強化し、こうした諸機関における日本の存在感を一層高めることができるよう努力して参ります。

 こうした課題について、皆様のご協力を得ながら、在ストラスブール日本国総領事としての職責を全うして参ります。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
 

令和4年11月10日
在ストラスブール日本国総領事 内田 浩行

略歴

氏      名  内田浩行(うちだひろゆき)
生年月日  昭和43年7月12日生
最終学歴  東京大学法学部第二類卒業(平成3年3月)
採用試験  平成2年外務公務員採用I種試験
出 身 地   兵庫県

平成 3. 4  外務省入省
   19. 1  欧州連合日本政府代表部 一等書記官
   20. 1  欧州連合日本政府代表部 参事官
   22. 8  経済局国際貿易課サービス貿易室長
   24. 8  国土交通事務官 観光庁参事官
   26. 8  外務事務官 在フィリピン日本国大使館 参事官
   27.11 在フィリピン日本国大使館 参事官兼総領事
   29. 4  国際連合日本政府代表部 参事官
       7  国際連合日本政府代表部 公使
令和 2.   7  大臣官房
      〃  兼内閣事務官 内閣官房内閣参事官(内閣セキュリティーセンター)(~4.9)
   4.   9  在ストラスブール日本国総領事館 総領事