安全の手引き

令和7年8月28日

はじめに

 海外で滞在・生活するにあたってトラブルに巻き込まれないためには、日頃の 情報収集や安全対策に興味を持って向き合ってみること、そし て自分自身の身は自分で守るという認識をしっかりと持つことが大切です。パリ等の大都市に比べれば治安は比較的安定していると言えますが、ストラスブール及びコルマール等では鉄道車両内や人が多く集まる駅構内、観光スポット(例:ストラスブール大聖堂前)、ホテル等でのスリや置き引きの犯罪が発生していますので、貴重品(財布、パスポート等)の管理に御注意ください。多くの観光客が訪れる夏期休暇時期やクリスマスマーケット開催時期には特に注意が必要です。また、長期滞在の場合には、強盗、空き巣、車上荒らし、クレジットカード不正使用、不動産詐欺等の被害も報告されています。

 フランスでは一般に、週末を中心にさまざまなデモや集会が実施されます。許可されたデモや集会は、多くの場合、平穏に実施されますが、滞在中、デモや人だかりを見かけた場合には近づくことなく、身の回りの安全に十分注意してください。

 フランス政府は、国内のテロ警戒水準を最高水準である"urgence attentat(テロの切迫)に引き上げています。テロはどこでも起こり得ることを十分に認識し、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心がけてください。テロに遭遇してしまった場合には、警察官等の指示をよく聞き冷静に行動するように努めてください。

フランス国内の緊急連絡先
◎ 警察:17(携帯電話からは112も可能)

◎ 救急医療:15
◎ 消防:18

最寄りの警察署を確認する(フランス内務省ページ)


FR-ALERT(非常事態時警報システム)
フランス国内においてテロや災害等の非常事態が発生した場合、フランス政府からその地域に所在する携帯電話に警報が送付されるシステムです(電源が入っていて、通信可能な状態な携帯でなければ受信できません)。
FR-ALERTを受け取った場合には、警報に記載された状況及び安全対策等の内容を確認し、安全確保に努めてください。
対象となる非常事態の種類:火事(山火事を含む)、大雨、大規模事故、テロ、猛暑、大規模感染症等

以下のページにもフランスでの滞在に役立つ安全対策情報を掲載していますので滞在中の安全対策の参考にしてください。

緊急時に備える

平素の心構え

  • 緊急事態発生時、最も重要になるのは「情報」です。 どこで何が起きているのか、発生した事態により誰がどのように影響を受 けているのか、家族や知人、友人、同僚等は無事なのかといった情報等を集 めるとともに、自分や家族の安否情報を、関係者に発信する必要があります。
  • いざという時にパニックに陥らずにこれらのことに対処するため、日頃から関係者の連絡先を書いたリストの作成や、避難場所の設定等をあらかじめ行っておくことも有効です。 また、緊急事態が発生した際には流言飛語(デマ)が飛び交うことが多いの で、不確実な情報に惑わされないためにも、根拠の無いうわさ話に飛びつかな い、1つの話題に関して複数のニュースソースを確認する等の対策を心掛けて下さい。 緊急事態が発生した場合には、総領事館からも領事メールで情報を発信します。

総領事館からの領事メールを受け取るために『在留届』または『たびレジ』の登録をお願いいたします。


◆ 在留届
フランスに3か月以上滞在する方は、緊急時の連絡などに必要ですので、オンラインによる在留届電子届出システムを通じて「在留届」を提出してください。日本から転居する場合には、住所が決まっていなくても、日本出発の3か月前からオンライン提出が可能です。※提出には、有効な日本旅券番号が必要となります。
 住所その他届出事項に変更が生じたときは「変更届」を、日本への帰国や他国に転居する際には「帰国・転出届」を、在留届電子届出システムを通じて必ず提出してください。
 (参考)管轄地域図

◆ たびレジ
 在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外の在留地から第三国への短期渡航も含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、フランスで事件や事故、自然災害等が発生し、在フランス日本国大使館や総領事館などが安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。

連絡体制の確認

  • 緊急事態に備え、家庭全員の日常の行動エリア、通勤通学の経路、利用交通機関等の情報をお互いに把握しておいてください。会社や団体におかれ ましても、緊急時の責任者をあらかじめ選定し、避難訓練・緊急連絡訓練等を定期的に行うよう心掛けて下さい。
  • 緊急時には停電などで、携帯電話、インターネットが長時間使用不可能になることも想定されます。そのような場合の情報伝達手段、緊急時の集合場所、一時避難先等について、家族や職場であらかじめ検討しておきましょう。
  • 携帯電話の充電切れも考慮に入れ、モバイルバッテリーを持ち歩くだけでなく緊急連絡先はメモにして常時携帯するようにしてください。
  • 緊急時には、デマも含め様々な情報が飛び交い事態の迅速・正確な把握が困難なこともあり、パニックに陥りがちですが、深呼吸をし、周囲の状況を確認し、避難する必要の有無、 家族や職場への連絡手段の有無等について考えてみましょう。
  • テロや事故等の緊急事態に遭遇してしまった場合、現場からなるべく遠ざかる必要があります。銃声や爆発音などの大きな物音が聞こえたら、すぐに物陰に隠れ、可能であれば(無理な避難は禁物)速やかに現場を 離れ、家族や勤務先等の取り決めに従い、関係者に自らの安否や状況の報告をしてください。
  • フランスでは、緊急事態用の過度な備蓄は必要無いと考えられますが、付近での買い物が一時的に困難になる可能性は有りますので、食料(缶詰等の 保存食を中心に)、飲料水、乾電池等はある程度準備しておくことをおすすめします。

防犯の基本的な心構え

 ここは外国であり日本国内のような安全な場所でないということを十分に認識することが重要です。
万が一、電車内や公共施設に物を置き忘れた場合、戻ってくることはほぼありません。盗難被害はもちろんのこと、貴重品などの忘れ物には十分気をつけてください。

 1 スキを作らない 
  • 会話や買い物に夢中になり過ぎない。
  • かばんを開けたままにしない(ファスナー付カバンを使用する)。
  • 荷物を置いたまま離席しない。
 2 自分にスキがないか振り返ってみる
  • かばん、ポケットに手を当てて持ち物の場所を確認する。
  • 歩いている場所が危険なエリア、人通りの少ない場所ではないか確認する。
  • 不審者や不審車両に尾行されていないか、振り返るなどして確認する。
 3 強引にスキを作られることもある
  • エスカレーターで物を拾うふりをして、あなたの前で突然立ち止まる。
  • エレベーター内で不自然に近づいてくる。
  • 時間や道を尋ねられる。
【!注意!】
 子供のスリ集団も存在しています。少年少女が突然周りに集まって来た時は、気を許さず、むしろ警戒心を高める必要があります。

犯罪の発生状況/防犯対策

 当地において邦人が遭遇する犯罪被害の大部分が、盗難(スリ・置き引き)による被害です。特に11月最終週から12月末にかけて開催されるクリスマス・マーケットの時期は、マーケット会場等の周辺で、国外から流入してきた窃盗集団によるスリ被害が頻発する傾向にあります。過去の被害例を参考にしていただき、十分に対策を行ってください。
 
 1 鉄道駅
  • 「代わりに切符を買ってあげる」などと親切な人間を装い、切符の釣り銭やクレジットカード情報を騙し取られた。
  • 駅エレベーター内で不自然に密着されて、財布を抜き取られた。
【対策】 
 駅では、時刻表や料金のチェック、不慣れな券売機の操作等で荷物から目を離しがちです。犯罪者は不慣れな観光客 を常に観察し、接近してきますので、駅で話しかけてくる人間には対応しない、カバンは前掛けし、スーツケースは自分の眼前に置く、周囲を確認する癖をつけておく等の対策が必要です。

 2 鉄道(列車内)
  • 車内で居眠りをしている間に衣類や荷物から貴重品を盗まれた。
  • 荷物棚に貴重品の入った荷物を置いたまま降車してしまい、すぐに戻ったが荷物がなくなっていた。
【対策】
 荷物棚又は荷物置場に荷物を置く場合は、確実に施錠を行い、貴重品は必ず客席で携行してください。客席に携行する手荷物については、膝に抱えるなどして常に荷物を意識するようにしてください。貴重品についても、衣類の内ポケットやインナー型のセキュリティポーチに入れるなど、携行方法を工夫する必要があります。
 
 3 観光スポット
  • ストラスブール大聖堂前広場で写真撮影中に肩にかけていたかばんから貴重品を盗まれた。
  • クレベール広場のクリスマスマーケットを散策していたところ、気づいたら鞄から財布を盗まれていた。
 【対策】
 人が密集する場所に出掛ける際は、リュックサック等の大きなカバンの携行を避ける、貴重品はインナー型のセキュリティポーチに収納する、クレジットカードや現金は複数の箇所に分散して所持する等の盗難対策が必要です。
 
 4 ホテル
  • ホテル内レストラン(特に朝食時)、ロビー、フロントでの置き引き。
  • ホテル居室内(就寝中・外出中)に窃盗犯が侵入し、金品等を持ち去られていた。
【対策】
 ホテル内での被害はホテルの格付けに関係なく発生しています。フロントでチェックイン/アウトを行う際は、荷物を自分の眼前に置く、手から離さない等のことを意識し、置き引きを防ぐ必要があります。
また、ホテル内レストランのビュッフェやトイレなどで短時間離席する際も、必ず貴重品を携行して下さい。その他、「就寝の際には扉のチェーン錠等でしっかり施錠を行う」「外出の際には旅券・カード等の貴重品を携行する」などの対策を行う必要があります。

【!注意!】
 ホテルの居室備付けのセキュリティボックスは、暗証番号を設定していても簡単に解除されてしまいますので、外出時の貴重品保管場所としては適当ではありません。

 5 車輌関係(車上荒らし等)
  • 路上駐車車輌内のカバンが盗難に遭った。
  • 運転中、赤信号や交差点等の停止位置で停車したところ、窓ガラスを割られ車内のバック等を強奪される。
 【対策】
 車両を駐車する際は、車外から見えるところに所持品は一切置かず、貴重品は必ず携行してください。 また、走行中はドアの施錠を確実に行うとともに、バック類はトランク、貴重品は足下に置くよう心掛ける必要があります。

 6 住宅(空き巣等)
 住宅の選定にあたっては、治安状況等を考慮し、マンションであればなるべく上の階の部屋を選定することをおすすめします。ストラスブール市内で治安が悪いとされているのは以下の地域です。低所得者層が居住しており、麻薬の密売をはじめとした犯罪が多発する地域のため、住居地として選択したり、夜間に訪れたりしないでください。

※危険レベル(赤:高いオレンジ:中青:低い
・ヌーオフ(Neuhof)地区:市南部
・メノー(Meinau)地区:市南部
・エルゾ(Elsau)地区:市西部
・モンターニュ・ヴェルト(Montagne Verte)地区:市西部
・オートピエール(Hautepierre)地区:市北西部
・クローネンブルグ(Cronenbourg)地区:市北西部
・ポー・デュ・ラン(Port du Rhin)地区:市東部

【対策】
  • ドアチェーンや補助錠などの安全設備を面倒がらずに活用する。
  • ガス・電気・水道等設備点検を理由にした不意の訪問者は入室させない。
  • 外出時は、各部屋の防犯シャッターを閉め、オートロックの扉にも必ず鍵をかける。
  • 長期休暇の際、郵便物が溜まり留守であることを察知されないよう管理人に依頼しておく。
  • 平素から家主や管理人などから、付近の犯罪情報を得るように努める。
  • 特に夏場、昼夜を問わず在宅中に窓を開放する際にはチルト式にする。また、就寝時には防犯シャッターを下ろした上で窓を開ける。(忍び込みを防ぐため)

盗難等の被害に遭った場合

盗難等の対策を行っていたとしても、トラブルを完全に避けることができない場合もあります。万一、被害に遭った場合の対応・留意事項は次のとおりです。
  • クレジットカードの盗難に遭った場合は、不正使用を防ぐため早急にカード会社に連絡をとり利用停止手続きをとりましょう。
  • 必要に応じて「17番(警察直通(固定電話・携帯電話共通))」に電話し、被害状況を通報します。
  • 通報時に、どの警察署に「盗難届(Déclaration de vol)」を出すべきか、指示がありますので、その指示に従い盗難届を提出し、「盗難届証明書(Récépissé de déclaration de vol)」をもらいます。この証明書は、パスポート(旅券)やクレジットカード等の再発行に必要であるとともに、各種保険請求手続きに欠かせない書類です。
  • フランスの各県中央警察署は、当業務を24時間受け付けていますが、電話による予約受付・盗難届の作成等は受け付けていませんので、直接最寄りの警察署に出向いて下さい。

◆ストラスブール警察署 (Hôtel de Police)
TEL  : 03 90 23 17 17 34
住所 : Route de l’Hôpital B.P. 205, 67000 Strasbourg Cedex

パスポート紛失時は、以下の2つの対処方法があります。いずれの場合も警察発行の盗難届証明書が必要となりますので必ず御準備ください。 ※帰国まで時間的余裕がなく、他国に赴くことなく日本に直接帰国される場合、「帰国のための渡航書」にて帰国することが可能です。